【4月、5月、6月】社会保険料は1年の平均でなく「3ヶ月の平均の給与」で決まる件

目次

「社会保険料」のキホン

「社会保険料」=「健康保険料」「厚生年金保険料」の総称

社会保険料とは健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料の総称となります。

健康保険料とは・・

皆さんが病院に行ったときに支払う医療費が3割負担(年齢などによって異なります)で済んでいるのはこの健康保険料のおかげになります。この健康保険料を元に医療費に充てているのですね。

厚生年金保険料とは・・

将来の年金のための積立の保険料と考えてください。この支払った厚生年金保険料の金額と年数により、将来支給される年金額が変わってきます。

雇用保険料は厳密に分けると雇用保険と労災保険に分けられます。ここでは割合が低い(約1%程度)ので割愛しています。

「社会保険料」の利率は高い

社会保険料にかかる給与の利率は所得税や住民税と比べても非常に高いです。全国健康保険組合の利率(東京都で平成31年度の場合)では、

  • 健康保険料  ・・9.9%
  • 厚生年金保険料・・18.3%
  • 合計     ・・28.2%

※実際はこの金額の半分が会社負担となります。

となっており、会社が半分負担してくれるとしても給与の15%近くは健康保険料と厚生年金保険料で天引きされているのです。

しかもこの利率は上がり続けています・・。

それにしても「社会保険料」が高すぎる気がするのはなぜ?

社会保険料は「年間の給与の平均」ではありません。

社会保険料は上記で示したように、給与の金額で保険料が変わってきます。(給与×利率)つまり単純に給与が高ければ高いほど保険料は高くなってくるのです。

ただし、所得税や住民税など他の天引きと明らかに違う部分があります。それは

なぜか社会保険料は年間の平均でなく3ヶ月の平均給与から計算される。。

という部分です。少し詳しく言うと社会保険料は4月、5月、6月に支払われた給与の平均から計算されるのです。なぜその3ヶ月なのかはわかりません。

しかもあくまで「4月5月6月に支払われた給与」となるのがポイントなのです。会社によっては給与の支払方法が異なると思いますがこの場合、翌月払いの人は要注意です。

翌月払いの会社の場合、社会保険料の計算の対象になるのは3月、4月、5月の労働分の給料ですね。それがちょっと厄介な問題を引き起こします。

4月、5月、6月(または3月、4月、5月)の残業が多い分だけ社会保険料は高くなる

3月と言えば、多くの会社の決算月となります。また公共事業などの関連も年度末の締めでギリギリまで働くシーズンとなります。つまり3月は多くの会社にとって残業が非常に多く出やすい月となるのです。

そうすると残業時間などの条件によっては、普段もらっている給与に比べて社会保険料の天引き額が多すぎる・・。と言う状態になる場合があるのです。

3ヶ月の残業が多い場合のシミュレーション

翌月払いの会社で3月の残業が非常に多い会社を例として考えてみましょう。

3月のみ非常に多く残業がある会社(基本支給額25万円)
  • 4月支払い(3月精算分) 総支給40万円(うち残業15万)
  • 5月支払い(4月精算分) 総支給25万円(残業なし)
  • 6月支払い(5月精算分) 総支給25万円(残業なし)

この場合、3ヶ月の平均支給額は30万円となります。

そうするとこの人の場合は、普段は25万円の給与なのに、社会保険料は30万円の人と同じ額を支払うことになりますね。

では東京都では社会保険料支払額にどのくらいの差が出るのでしょうか?

標準報酬月額30万円の場合
  • 健康保険料(個人負担分)14,850円
  • 厚生年金保険料(個人負担分)27,450円
標準報酬月額24万円の場合
  • 健康保険料(個人負担分)11,880円
  • 厚生年金保険料(個人負担分)21,960円

となり、その差は健康保険料で2,970円厚生年金保険料で5,490円にもなります。(合計8,460円)さらにこれが一年間続くので、12ヶ月を掛けるとその差は101,520円にもなります。

さすがにこの差はデカすぎる・・。。

あまりに4月、5月、6月の残業が多い場合は「年間の給与の平均」にすることもできる

あまりに3ヶ月の給与と他の月の給与が違いすぎる・・

実際に上記の例ほどの差がでるのは珍しいのですが、こうなる可能性はゼロではありません。4月5月6月の給与が他の月と違い過ぎれば、社会保険料を多く取られる可能性は十分にあります。

しかしあまりにもこの3ヶ月と年間の給料に差がある場合には「年間の給与の平均」を取ることも実は可能なんです。

「年間平均」を取るための条件

「年間平均」は誰しもが申請できる訳ではありません。日本年金機構のHPには以下のように条件が書かれています。

保険者算定ができる基準には、次のような場合があります。

① 4月、5月、6月の3か月間において、3月分以前の給与の遅配を受け、 または遡った昇給によって数か月分の差額を一括して受けるなど、通常、 受けるべき報酬以外の報酬を当該期間において受けた場合

② 4月、5月、6月のいずれかの月において低額の休職給を受けた場合

③ 4月、5月、6月のいずれかの月においてストライキによる賃金カットが あった場合

④ 「4月、5月、6月の給与の平均額から算出した標準報酬月額」と「前年 の7月から当年の6月までの給与の平均額から算出した標準報酬月額」に 2等級以上の差が生じ、その差が業務の性質上例年発生することが見込まれる場合

⑤ 給与計算期間の途中(途中入社月)で資格取得したことにより、4月、5 月、6月のいずれかに1か月分の報酬が受けられなくなった月がある場合

今回の話で該当するのは④となるのですが、これを簡単に言うと

3ヶ月の平均と1年の平均にすごく差があって、それが毎年恒例ならば1年で平均をとっていいよ。

ってことですね。2等級の差があるかどうかは保険料額表を見ればすぐにわかります。ちなみに上記で示した例では3等級の差があったため、年間平均の該当となる可能性があった訳ですね。

会社としては年間平均の方が支払いが少なくなる!

この標準報酬月額の年間平均ですが、社員の視点から考えると将来もらえる年金額が減るため、デメリットも若干あります。(とは言っても現状の天引き額が少ない方が嬉しいとは思いますが・・)

しかし会社にとってはメリットしかありません。なぜなら社会保険料の半分は会社が支払う義務があります。つまり、標準報酬月額が高ければ高いほどその会社の負担額も多くなるのです。

会社はこの年間平均で申請することによって、福利厚生の支出を減らすことができるのですね。

社員からしてもやっぱり天引きは少ない方がいいと思う。該当の3ヶ月の残業が多ければ、一度会社に相談するのもアリですね。

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