【担当者は知っておきたい】産休・育休中の住民税の手続き方法 ※具体例あり

産休 育休 住民税
目次

従業員が産休・育休に入ったけど、住民税はどうする?

従業員が来月から産休に入る予定だけれど、手続きどうしよう。

  • 困っている総務担当者
  • 今から産休・育休に入る従業員

の人などの参考にとなる内容となっています。

社会保険料や雇用保険料は免除だが、「住民税は発生」することを覚えておこう

住民税は産休・育休中も支払う必要がある

産休・育休中については、社会保険料や雇用保険料は免除となります。また所得税も普段の業務の中では、月々の給与に対して計算されるものですので、産休・育休中=月の給与が0円ですので発生しません。

じゃあ産休・育休中は引かれるものはない訳ですね!

というわけには行きません。従業員は住民税に関しては支払い義務があるのです。その理由については次で説明しましょう。

住民税は「去年の給与」に対しての税金

住民税は去年の1月〜12月の1年間に対しての税金となっています。つまり感覚としては1年前の税金を納めているわけです。2019年に産休・育休に入ったとしても、その年には2018年分の住民税を支払わないといけないため、ちょうど産休・育休中に支払義務が出てくるのですね。

逆に育休の次の年の住民税は極端に少ないとも言えますね。

住民税の手続きは「現在徴収分」「次期徴収分」で分けて考えよう

住民税の手続きについては

  1. 現在徴収分(いま現在で徴収額が確定している住民税)
  2. 次期徴収分(来年度支払う予定の住民税)

に分けて考えるのがわかりやすいと思います。あくまで住民税は去年の給与に対しての税金となっています。ちなみに住民税(特別徴収と言います)は「6月始まり〜5月まで」といった間で支払っています。

もう少し具体的に説明します。

住民税の計算期間 住民税の天引き(特別徴収)期間
開始 終了
2018年1月からの1年間

2019年6月

2020年5月

2019年1月からの1年間

2020年6月

2021年5月

2020年1月からの1年間

2021年6月

 2022年5月

という風に、住民税の特別徴収は6月開始の5月終了となっています。

つまり仮に2019年3月に産休・育休に入ったとしても、2019年5月分までは特別徴収する予定になっている、というところがポイントになります。

現在徴収(予定)分の住民税の手続きについて

では次に実際の手続きの話をします。もし産休や育休を取る社員が、その年の住民税の納付が完了する5月にたまたま休業に入る可能性は低いでしょう。そうなると、それまで給料から天引きしていたその期の住民税が天引きできなくなります。

そうすると、現在徴収中分の期の住民税については

  • そのまま特別徴収をする
  • 普通徴収に切り替えて、社員が直接納付する

という2つのパターンが考えられます。詳しくみていきましょう。

そのまま特別徴収をする

会社が毎月住民税を支払っていく方法となります。当然、会社が住民税を肩代わりする訳ではないので先に全額を従業員から徴収することになります。

徴収方法は大きく2通りあり、

  1. 産休・育休中の従業員に毎月請求を出す
  2. 産休直前の給与から一括で事前徴収する

となります。実際にどちらを行うかは会社によってまちまちですが、2の一括徴収の方が、会社からしても従業員からしても私はわかりやすいのではないかな?と思います。

では一括徴収の考えかたですが、具体例を一つ出してみましょう。

社員Aさんの例
  • 総支給額・・・200,000円
  • 住民税・・・・10,000円(年間120,000円)
  • 1月末で産休育休開始をする

この場合、Aさんの期の住民税の徴収状況は下記のようになっています。

  • 6月〜12月の7ヶ月間の住民税(70,000円)は徴収済
  • 1月〜5月の5ヶ月間の住民税(50,000円)は未徴収

つまり、1月の在職時点では1〜5月の住民税50,000円が未徴収、未納となっていますね。この50,000円分を1月の最後の給与で一括で天引きを行う、ということになります。

その後は預かった50,000円を毎月10,000円ずつ市に支払えば良いんだね。

普通徴収に切り替える

天引きを止めてしまって、残りの住民税を従業員が直接、市に住民税を支払するようにに切り替えること(普通徴収)も可能です。会社としてのメリットは、間に入る必要がないので最初の手続きが完了しさえすれば手が離れるというところです。

一括徴収か普通徴収かは、従業員が納得する方で選択してみてください。

ただし1月以降の産休・育休では普通徴収に切り替えることができません。一括徴収が原則となります。

  1. 6月1日から12月31日までに異動があった場合
    最後の給与もしくは退職手当の支給額が未徴収の税額の金額を超え、かつ、本人からの申出があった場合には、その未徴収の税額は最後の給与もしくは退職手当から一括して徴収してください。
  2. 翌年1月1日から4月30日までに異動があった場合
    最後の給与もしくは退職手当の支給額が未徴収の税額の金額を超えるときは、本人の申出にかかわらずその未徴収の税額は最後の給与もしくは退職手当から一括して徴収してください。
  3. 上記の1と2のいずれにも該当しない場合
    未徴収の税額については普通徴収の方法によって本人が直接納めることになります。また、死亡により退職した場合は普通徴収の方法により納めることになります。(この場合は相続人が納めることになるので、相続人の連絡先をご存知でしたら異動届に記入していただければ幸いです。)

※那須塩原市HPより引用

次期徴収分の住民税について

次期徴収分の住民税については、

  • 基本的に普通徴収に切り替え

で問題ないと思います。育児休暇は1年以上取得することも珍しくないため、従業員本人に住民税の請求が行くようにしていた方が、手続きも簡単ですからね。

この手続きの際に提出する書類は

給与支払報告・特別徴収に伴う給与所得者異動届出書
と言います。形式は一緒なのですが、市町村によって若干異なる場合もあります。
市町村のHPにはほぼ確実にPDFもしくはExcelがアップされていますので、
市町村名 給与取得者異動届出書
でググってみるとすぐに発見できると思います。
給与支払報告・特別徴収に伴う給与所得者異動届出書
  • 提出期限・・・退職や給食の翌月10日まで
  • 提出先・・・・当年1月1日に該当従業員の住所があった市町村

となっています。提出までの期間がが短いため、注意しましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次